新・タイは若いうちに行け!痛感物語

第2部、第16章の始まりです。



日系企業を退職すると決断した俺。。

ルールにのっとり30日(以上)前に退職届を提出。

これで退職原因のパワハラ上司「エリート」から
離れることができ、ひと安心と思ったのだが。。


それからの30日間もある意味 ’’地獄’’ だった。


毎日と言っていいほど頭痛と目まいが収まらない。

とくに頭の芯。。奥のほうが痛い。

辞めると決めても在籍期間中は最後まで頑張ろうと
「Tさん」と一緒に新ルールをひたすら守り
タイ人スタッフに根付くように努力を続けた。

もちろん顧客対応も怠りないように、だ。


そんな中でひとつだけ ’’ありえない’’ と思ったこと。


それは。。

エリートも俺も今までと変わらず出勤するのだが
ラスト30日間でエリートと会話をしたのは5秒のみ。

1日5秒じゃない。30日トータルで5秒。

俺のことは完全に無視。

俺はエリートからは ’’空気’’ の扱い。

今までは1日何時間喋っていただろう?

喋っていると言うか指導されていただけか(苦笑)


5秒エリートと会話した内容はハッキリ覚えている。


退職届を提出してから完全無視され続けていたが
俺もそこまで性格はひねくれていないので
最終出勤日にエリートの元へ挨拶に行くことにした。

社長室(パーテーションで仕切っただけ)に入ると
エリートと同じエリアで机を並べて事務をしている
総務担当の女性スタッフと通訳さんが起ちあがり
「今までお世話になりました。ありがとう」
「次の職場でも頑張って下さい」みたいな
言葉を掛けてくれたが。。2人の表情に余裕はなし。

私も一緒に行きたい。。と言ったような想いが
ひしひしと伝わって来る(涙)

何気に彼女が作業をしていたデスクトップを見ると
画面にはエリートの新ルールで社用車に取り付けた
GPSを地図上で監視していたようだ。

通訳さんなのにこんなことまで。。

ムゴイ。。


2人と軽く挨拶を済ませ、エリートのデスクへ。

約1ヶ月会話をしていないので少し緊張しながら
「短い間ですがお世話になりました」と伝えると
座ったままゆっくりと俺を睨み付け、こう言った。


「お達者で!」


その発言のボリュームは通常の3倍増し。

会話は30日間(出勤日数24日)で、このひと言のみ。

最後の最後まで怒鳴られながらお別れ。。


しかしこの言葉を最後に正門を出ると頭痛は消えた。


毎日、真っ暗な時間だけを走る工場前の道路も
この時だけは空気までもキラキラと光り輝き
俺の未来の明るい道が見えた(ような気がした)

まだ会社に残るTさんと「A君」には申し訳ないが
今の俺には退職という選択しかできなかった。

俺と同じくらい辛い思いをしているTさん。。

陰ながら支えてくれたA君。。

先に行かせてください。。


俺はこんな経験やこんな思いをするために
タイランドに移住したわけでは無いっ。



しかしひとつだけ安心できたことがある。


俺が退職の旨を伝えた後、本社から支援者が3人来た。

今までやっていた兼任業務をやめて専属担当にし
手薄な3つの部署を強化するためだ。

これで少し楽になり激務も乗り越えられるだろう。。

新しく来た方達とも2回だけ週末飲み会に行ったが
みんな人柄も良くて、更には酒も歌も大好きなので
新旧メンバー上手くやって行けるのは間違いない。

そもそも何十年も同じ会社で働く仲間3人。。

俺のようにたった1年の付き合いじゃない。

俺が現地採用としてやってきた3年(旧職場含む)で
日本の本社では色々新しい技術も開発されたようで
それをタイに導入するんだ、と活き活きしていた。

華の駐在員生活を頑張ってください。

エリートも日本人の増援で不具合が安定するから
日々の怒りも多少落ち着いてくるだろうし
エリートの残り任期9ヶ月を乗り越えれば
明るいタイ駐在生活が保障されています。

それにしても。。3人追加だと?

俺は今まで3人分の仕事をしていたのか?と
少しだけ「ざまぁみろ」とも思ったり。


しかしそんな小さなことで喜んでなんかいられない。


俺自身、肝心なことが何も準備できていなかった。

前職場の韓国企業からここに転職した時とは違い
次の就職先が決まらずに退職日を迎えていたのだ。

1ヶ月も猶予期間があったのに何故?

そう。。


俺の余裕は「脳」にも「心」にも、更には「時間」にも無かったのだ



ちゃんと?仕事はしていたが屍の様な1ヶ月。。
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1話1分程度で読めますので是非とも m(_ _)m
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【第1話】 俺