前回の続き。。

新社長「エリート」の新たなルールが発表された。

「マシンの毎日点検は朝の始業前とする」

「始業ベルが鳴ってから稼働しているのはおかしい」
「朝一番の工場内がダラけた雰囲気も気に入らんっ」

この方針で動き始めたのだが。。

比較的に話の分かるタイ人マネージャー以外は
「なぜ時間外に無償でやらないといけないの?」だ。

実に8割のタイスタッフがこう考えているだろう。

毎日毎日、始業ギリギリになって滑り込んでくる
タイ人スタッフが大半を占めるだろうか。

逆に定時前は終業のベルが鳴り終わる直前直後に
タイムカード前に並んでいる有様だ(苦笑)

17時01分になる前に正門を飛び出す者も少なくない。

「Tさん」や俺の任務はエリートの決定事項を
タイ人スタッフに落とし込み根付かせること。

日本の工場ではありがちな始業前の段取り。。

しかしタイ人スタッフになかなか根付かず苦労した。


エリ「Tさんは本っ当~にタイ人に甘々対応だな」
  「ちゃんと理由まで説明して指導してるのか?」

T 「もちろん言ってるのですが。。」

エリ「どうせ ’’できれば早く来てな’’ 程度だろ?あ?」
  「私が直接指導する!」

T 「申し訳ありません。。」

エリ「おい!お前ら(マシンのオペレータ)」
  「明日からは絶対早く来い!わかったか!!」

タイ「カッポォ~~ン(承知しました)」


翌朝。。。


エリ「おい!なぜ来てない!どうなってんだ!?」

T 「理由まではわかりません。。」

エリ「連絡は?」

T 「まだありませんね。。」

エリ「会社側から直ぐ確認しろ!」


。。。


T 「社長。。ひとりは今日病欠で休むそうです」

エリ「はぁ?昨日まで元気だったじゃないか!」
  「来なければその分給料から引いとけ!!」

俺 「社長。。それは難しいです」
  「タイは国の法律で会社員ならば年間30日間の
   病欠が認められているので有給と同じように
   給料が引かれることはありません。。」

エリ「グヌヌ。。(ブチッ)」
  「タイ人ができないなら日本人管理者でやる!」

俺達「は、はい。。(またかっ)」


SickLeave・・病気休暇を年間30日取得可。


最初は俺も「どんな制度だよ!?」と思ったが
タイ人スタッフはこの制度だけは徹っ底~的に守る。

これが普通(権利)なのだから、休む奴は休む。

大事な会議や顧客訪問も関係なく休むのだから
始業前点検ごとき ’’頭痛(100%前日の深酒)’’
’’腹痛(晩飯のソムタムが辛かった)’’ だから休む。

この程度の気持ちのタイ人スタッフは多い。

特に工場でラインマンとして働く若い者だ ※弊社

連続3日以上は医師の診断書が必要だがここはタイ。。
病院を選んで行けば金で何とかなる?のだろう。。
※2日以内で会社から提出を求めることも法律違反

だが、さすがエリートだ。

負けじと対策案は出す。

翌朝の朝礼でコメント発表。


エリ「1年間通してSickLeaveを取得しなかった
   スタッフには特別ボーナスを出す!どや!


これは多少の効果があったと思うが。。

一般的なタイ人スタッフは1年も先のことなど
考えられないのだ。。

半年先でも無理。。

いや1ヶ月。。

いやいや、来週のことですら
考えている者はほとんど居ない。


今が楽しければ全てヨシ!だから。


エリ「管理者は明日から6時30分に会社入りだ!!」


こうして俺達は毎日の起床が30分早まった


また会社での拘束時間が長くなる(涙)
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【第1話】 俺