前回の続き。。

工場のシャッター前で起きた従業員のストライキ。

「MD」はタイ人スタッフに意見や怒りをぶつけるため
俺に「日本語を通訳しろ!」と言ってきた。

少し話の腰を折ってしまうが。。

この ’’怒っている人の通訳’’

これがかなり難しい。

言葉だけではなく発言側の怒っている雰囲気も
相手に伝えられないと通訳の意味が半減どころか
意味をなさなくなるからだ。

通訳する口調や言葉尻のニュアンスに注意しないと
相手に伝わる意味が全く変わってしまう。

通訳者本人は自分の意見が全く違うと思っても
発言者の思想をそのまま相手に伝えることが重要で
通訳さんの仕事って大変だなと思う部分でもある。

駐在をはじめた2001年頃にかなり日本語の上手い
タイ人通訳の男性を雇ったことがある。

専門用語を覚えるのも早いし、人間的にも素晴らしい
かなり有能な通訳だった。

しかし人柄が良すぎてスタッフの指導や注意をする時
彼なりに柔らかく優しく言葉を変えて通訳するので
結果、試用期間中に雇わないと判断したことがある。


通訳「僕の意見じゃありませんよ」
  「彼がそう言ってるだけです」
  「彼は怒ってますが気にしないで」
  「後で僕がキチンと話してみます」


特に揉め事を嫌う性格のタイ人だと
こんな感じになってしまいがちなのだ。

決して人前で叱ってはいけないタイの風習
かなり影響していると思われる。

この話は奥が深いため、また別の機会に。。


話は戻り。。


兄豚「もし私達2名の解雇を取り消さない場合は。。」
  「この場に居るスタッフ全員一緒に辞めます」


豚の化身は最後の捨て身の行動。

’’私達を切れるものなら切ってみろ!
 全員で辞めると会社側も困るだろう作戦’’ だ。

しかし。。


MD「どうぞ、今直ぐ辞めてくれ」

俺 「MD、それはちょっと通訳しかねます。。」

MD「ふんっ。。まぁ、いい」

俺 「。。。」

MD「確かに工場の生産スタッフは命令されてた側、
   全員の昇給、ボーナス無しは撤回してやる」


ここで一般のスタッフは安堵の表情に変わった。

この判断は正しかったと思う。

もし全員が居なくなったら取引先に迷惑を掛けるし
スタッフを入れ替えると直ぐには仕事が回らない。

ただでさえ今までも顧客に迷惑掛けまくりで
謝り倒すことでなんとかしのげている状態だ。

そう。。

’’全員解雇=倒産待ったナシ’’


MD「ただし、お前ら2人はクビ(豚の化身兄弟)」
  「いや、クビじゃないぞ、自主退職してもらう」
  「昨日も言っただろう?警察に言うぞ?」


この場でしばらく押し問答が続いたが。。


結果的に豚の化身2人は自己都合で退職することに。


しかしこれは本当に正解だったのだろうか?


タイに進出、タイでタイ人と仕事をする場合
タイ人から恨みを買うととんでもないことになる。

これは他社の話だが。。

自社のスタッフから逆恨みされた日本人の管理者が
運転手付きのクルマで帰宅途中、信号待ちの交差点で
恨まれたタイ人スタッフ?もしくはヒットマンから
ショットガンで撃たれた事件があったほどだ。

タイではヒットマンも簡単に安く雇えるので
恨みを買わないよう皆さんも気を付けて頂きたい。


はたしてMDと会社の未来はどうなるのだろうか?(俺も)


このあと一気に話が進みます。。
今日もポチっと応援よろしくお願いします 
にほんブログ村 大人の生活ブログ タイナイトライフ情報(ノンアダルト)へ
にほんブログ村

ブログ「タイ若!痛感物語」を最初から読む 
1話1分程度で読めますので是非とも m(_ _)m
FullSizeRender
【第1話】 俺