前回の続き。。

タイ駐在開始から2ヶ月が過ぎた。

新鮮だったバンコク生活にも慣れが出て来た頃だ。

しかしこの頃、仕事は激務となっていた。

俺達は他の会社の一般的な駐在員スタイル
’’前任者の引継ぎ駐在員’’ ではなく
’’新規工場立ち上げ駐在員’’ のため
何もかもを手探りで試行錯誤する必要があり
いわば ’’レールを敷く’’ と言う負担の大きな仕事。

土日祝日も関係なく出勤することが多くなり
タイスタッフの管理や指導に熱が入っていた。

なんならトイレ掃除や敷地内の邪魔な木を切ったり
ペンキ塗りなど、雑用のようなことまでやっている。

顧客周りも本格化し、昼間は外で夕方に帰社し
そこから工場内の仕事をこなす毎日。。

平均21時前後まで仕事をするのが普通になっており
アパートに帰ってからもバタンキュー(古いっ)で
以前のように近所を散策、駐在メンバーで食事!
なんてことは誰もがやらなくなっていた。

時には帰宅が0時を回ったり会社で寝ることも。。

(はぁ。。今日もカップラーメンか。。)

こんな状況のため「ジェーン」の在籍する
カラオケクラブ『恋人』にも行っていないし
個人的なデートで遊びに行く機会も今は無し。

とくに先輩2人はカラオケ恋人の女のコと
プライベートな付き合いがある訳でもなく
お店だけでの交友関係だった?ことから
「遊びに行きたいとは思うけど今は仕方ない」と
諦めムードと言うか、冷めていたと言うか
良い言い方をすると仕事に集中していた。


そんなある日の夜。。

久しぶりに早く帰宅でき部屋でゴロゴロしていた時
たまたまジェーンから電話が掛かって来た。
※ジェーン。。以下、ジェ


俺 「ハロォ?ジェーン ?」

ジェ「俺サン、仕事終わった?」
  「今から私のアパートに遊びに来ない?


ってことで俺はウキウキで速攻でバイタクに乗り
エカマイにあるジェーンのアパートに向かった。

。。。

スクンビットsoi39からエカマイ通りまでは
裏道を使えば15分もあれば到着する。

途中のコンビニでジェーンが好きなSPYを買い
手土産として持って行くことにした。
※SPY。。。スパークリングワイン


ジェーンのアパートに到着。


俺 「久しぶりだね~」

ジェ「ごめんね。急に 
  「なんか恋しくなちゃって 

俺 「マジで!?それは嬉しいなぁ」
  「うぇ~い。チョンゲーーオ(乾杯)」


この日はジェーンの妹や友達の姿は無く
2人で飲みながら普通に話をしていたのだが
俺が来てから30分くらいしたところで
ジェーンのケータイ電話が鳴った。


ジェ「ハロォ~?・・◎×△○・・」


ジェーンは俺と一緒に居る時でも構わず電話をする。

しかし会話が完全なイサーン語(東北弁)なので
何を会話しているのかはさっぱりわからない。

しかしこの時は聞こえて来るジェーンの声が
少し違うと言うかテンションが低い様に感じた。。


ジェ「うん、うん。。わかった


電話を切った後、ジェーンは急にバタバタと動き出し
リュックに衣類やドライヤーを詰め込みだした。

「どうしたの?」と声は掛けたが返事はない。

だけどこのジェーンの行動は、誰が見ても一目瞭然。

内容物からして2~3日どこかへ出かける準備を
しているのは間違いないだろう。。


ジェ「ごめん俺サン、用事ができちゃった 

俺 「え?どこか旅行でも行くの?」

ジェ「うん。。急に友達に誘われちゃって。。


ジェーンは今までに見たことないような顔で
俺にいつもより長い柔らかいキ〇をすると
「扉は内側のボタンを押して閉めると
 ロックされるから。。」と言い残し
俺を部屋に残して本当に出て行ってしまった。


なんだ?この状況は?


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